未来を左右するウェン

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西洋医学のすばらしさを見せつけられ、それを模倣することで経済的にも大成功したという面がありましたから、あこがれがどんどん膨らみ、歯止めがかからなくなってしまったのです。 こうして病気は悪者で、病巣は切り取るという流れができてしまったわけです。
日本人はいったん思い込むと、西洋よりも徹底してその方向に突き進み、行き着くところまで行かないとなかなか目を覚ましませんが、医学の限界に気がつき始めたようです。 患者が薬に頼ってきたことにも理由があります。
病気になると一0種類も一五種類も薬を飲んで、なんとか病気を治そうという人がたくさんいます。 とくにお年寄りは、それまで仕事に追われて余裕のある生活をしていませんから、病気になったら、病院に行って薬をもらうということくらいにしか頭が回らなかったのです。
しかし、多少のゆとりができて、病気や薬に対する知識が増え、自分の頭で考える時聞ができてくれば、病気を薬で治そうとすることはかならずしもいいことではなく、生き方を見直そうということに気がついてくると思います。 アメリカでは五年前から、ガンの年次死亡率が低下し始めました。
日本ではどんどん増えていますが、やはり行き着く先は同じです。 日本では西洋医学の最先端を行こうと、精密な医療機器を開発して病巣を早期発見し、ガンであればすかさず抗ガン剤で叩いています。
しかし、早期発見の医療技術が進歩すれば進歩するほどガン患者は増え、死亡する人も増えていきます。 アメリカやヨーロッパでは、ガンをそんなに熱心に見つけて、苛酷な治療をしてもようやく一部の医者たちが、西洋医学で治せないという限界を感じ、東洋医学的な、鋪灸や栄養学を取り入れるようになったことで、ガンの死亡率が減ってきたのです。

サプリメントがなぜ、こんなに広がっているかというと、現代医療に対する期待はずれがあります。 むしろ、体の仕組みの複雑さを考えたら、薬を使うのではなく、人類がこれまで試してきたキノコや海草の効き目のほうがいいことに気がつきはじめたのです。
極端に体を痛めつける抗ガン剤などよりは、体に負担がないし、逆にプラスになるからです。 代替医療も盛んに行なわれるようになったのは、現代医療の限界を医者も患者も感じているからでしょうが、やはり根本は、病気の原因である生活の偏りを修正しないかまり、病気は治すことができません。
漢方や鋪灸などの代替医療を施しても、相変わらず無理な生活をしていれば、病気はますます進行します。 感染症は別として、苛酷な治療で体を痛める治療よりはまだましですが、これまでの医療が大きな曲がり角にきていることだけは確かです。
日本人は、どうして医療に頼りすぎるようになってしまったのでしょうか。 それは、いろいろな症状が強く出て死んでしまう感染症が過去にたくさんあったために、トラウマができてしまったからです。
本当は許容できる範囲があるはずですが、我慢することができなくなってしまいました。 薬に頼るのも、過去の貧しい時代に病気になっても薬をもらえなかったことがあったからです。
今は豊かになって医者から薬をもらえるようになりましたが、貧しい時代のことが頭から離れていないということです。 人気のある大病院はコンビニ化してしまい、患者がわんさと押しかけます。

本当は熱が出ても我慢して寝ていなければならないのに、安易に押しかけているという患者側の問題もあります。 人間は手厚くされると、どうしでもそっちのほうに傾いてしまいます。
今、遺伝子の解析が進み、体内でつくっている徴量なホルモンやタンパク質を使った新しいことができると期待されていますが、それは、今までの薬ではなかなか病気が治らないということがわかってきたからです。 最近は、体のなかで自然につくられるものを薬にするのならどうにかなるだろうという流れのなかで、研究が行なわれるようになりました。
しかし、こうして発見された体内物質は、それまで使われてきた薬にくらべてより毒性が強いことも明らかになりました。 人間の体内ではものすごく徴量な世界で調節が行なわれていますから、たくさん投与すると、高熱が出るとか体液が貯留して心臓に負担がかかって呼吸困難になるなどの害が出て体のほうがまいってしまいます。
あんなに意気込んで遺伝子解析をしたのに、薬になるものは何一つ発見することができなかったと言っていいでしょう。 ステロイドなどは体内でつくられるものですが、とても怖いですから、そんなに使うことはできません。
たしかに、日本では、西洋医学が入ってくる前までは生薬を使って対症療法を行なってきましたが、西洋の薬との違いを認識できないまま、薬に対する信仰だけが強くなっていきました。 そんなに多くはならないと思います。
「病気は治らないが、ずっと飲んでいなさい」という薬がとても多くなっていますが、そういうときにどう判断するかを、病気の成り立ちから考えるようになってほしいのです。 たとえば、前立腺肥大だったら、何で肥大するかということをまず考えないといけません。
前立腺というのはいろいろな分泌物を出して尿道を潤してくれています。 喉が渇くと水がほしくなるのと同じです。
ところが、無理な生き方をすると分泌現象が抑制されまずから、排泄物がそのまま停滞してしまいます。 そのために血流障害が起きて腫れてくるのです。
前立腺が肥大する人は、夜遅くまで無理をした人や適当な運動をしないで血流が悪くなっている人といったように、かならず原因があります。 これは生き方を変えて治さなければいけない症状ですから、薬を使っても意味がありません。
前立腺肥大ではよく女性ホルモンを投与しますが、たとえば、女性ホルモンを急に投与されると、血栓形成が起こったり、静脈炎になったりするなど、いろいろなことが起こります。 一方の男性ホルモンも、活力などいろいろなところに関わっています。

前立腺だけにホルモンが関わっているわけではありませんから、もっと広い観点から考えなければならないのです。 私は、今のような免疫の研究を始めてから検診を受けるのをやめてしまいました。
あまり熱心に病巣を見つけようとすると、そこには、いろいろな要素が加わってきます。 たとえば、調べれば調べるほど怯えや不安などが募ってくることもあります。
最新の医療機器を使っている先生が、調べたら、かならず一人はガンを見つけてみせる」と言っていました。 機器の性能はすばらしいですから、どんな小さなガンでもかならず見つけられると思っているのでしょうが、とても怖いことです。
医療制度も考えなければなりません。 今から三O年ほど前、各県に医大がつくられ、多くの医者が誕生しましたが、医者が一人増えると、その医者の生活を保障しなければならず、結局は、医者の数と医療費の増大が正比例してきました。
医者が受け取る一定の収入を保証することが前提になっていますから、今度は検査の部分でそれを補うという構造にもなっています。 どんな治療でも一OO%だめならやめますが、それなりの成果が二割ほど出八割には悪くてもどうにかなると継続してしまいます。